Valentine ― 2010 ―
【ラティランクレンラセオ VS ザセリアバ】
菓子がある。
長さは彼らの人差し指ほどであろうか。
大きさは彼らの小指よりも小さい。
チョコレートをクッキーでコーディングした細長いもの(要するにt○pp○)
でも商品名書くと問題があるので(伏せ字が伏せ字になってないのは愛嬌という単語で片付ける)チョコクッキースティック、略してチョークと書く。異存はないな!
男と男が向かい合い、判定人がチョークを宙に放り投げる。男たちはチョークの端に食らいつく。
一瞬にしてどれ程食べることができるか? 一口で食べた量が多い方が勝ち。それがこの勝負。
ラティランクレンラセオが食らいつき……
「うぜぇ!」
ザセリアバ【王女】は殴り飛ばした。
その一撃の痛さに、
「惚れた……」
ラティランクレンラセオ(マゾ系)王太子は恋に落ちる。
「王太子同士の恋! お前の夫になるために、私は王位継承権を捨てよう!」
「お前が私の恋敵か! 良かろう、ラティランクレンラセオ!」
王の座を捨てると言い放つ「愛人多数で吝嗇で胡散臭い男」と「マゾで妹にもそれらの行為を強要していた男」に求婚された王女の未来は何処に……
「我はどちらとも結婚したくないぃ! 誰か助けてくれ!」
(殺せばいいじゃねえか・リーデンハーヴからの通信)
宵宮Valentine.[終]
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