ALMOND GWALIOR −202
ダーク=ダーマに乗り込んだリュゼクとアロドリアスの部隊は、艦内の混沌ぶりに眉を顰めた。現状解らず、誰とも通信ができないまま艦内を移動する。
「将軍、あれ」
「爬虫類好きの王子殿下か」
そうしている最中、彼らは《エーダリロク》を見つけた。
他王家の王子など、王子とも思わない選民意識の塊の集団だが、一応王族に対しての礼は取る。
「セゼナード公爵殿下。このような状況下で誰も伴わないのは危険ではありませんか?」
単身”うろついている”王子の身を案じる素振りをする。
「共は邪魔なんだよ」
「邪魔? セゼナード公爵殿下はその様に言える程お強い方ではないはずですが」
通常のエーダリロクよりも強いリュゼクが”何を言っているのだ? 共を連れて歩かぬのなら退去せよ”と言外に告げる。
「俺は自分が弱いことを知っているが、今はどうしてもな。これから副中枢に向かって、システムの復元作業に取りかかろうと思ってるんだ。大人数で歩くと目立つしよ。システム復元用のプログラム流すだけだしよ」
「それにしても危険です」
「……」
リュゼクは奇妙な感じを覚えた。それはアロドリアスも同じであった。
エーダリロクの話し方ではないように聞こえてくるのだが、見た目も声もエーダリロクそのもの。
とくにリュゼクは他にも違和感があった。それは”なにか”が足りないということ。
「お前らから見たらそうだろうが、今は非常事態だから。納得はできないだろうが、そういう訳だ、アロドリアス」
―― そうじゃ! 内側に潜む強さがないのじゃ!
アロドリアスは感じなかった《違和感》の正体は《ザロナティオン》
エーダリロクは通常状態でもアロドリアスよりは若干強いので、戦っている最中に《ザロナティオン》が目を覚ますことはないが、リュゼクは確実にエーダリロクよりも強い為、戦っている最中に「攻撃を仕掛けそうになるザロナティオン」と何度か遭遇したことがあった。
エーダリロクの瞳の奧に潜む《ザロナティオン》無論リュゼクは明確なことは知らないが、皇帝シュスタークから感じたことがある威圧感をエーダリロクからも確かに肌で知っていた。
皇帝と家臣に同じ物があるなど言うことのできないリュゼクは、黙していたのだ。
だが、今目の前にいる《エーダリロク》の中には、その皇帝が存在しない。
「……」
目の前の《エーダリロク》に気を取られてたリュゼクだが、柱の影にこれまた見覚えのある腹立たしい相手がいることに気付き、
「リュゼク将軍?」
「陰に隠れているの、出てこい!」
大声を上げて呼び立てた。
リュゼクの大声にザウディンダルは”ほぼ本能的”に、腰の後ろに皇帝の剣を差して隠し、無抵抗の意味を込めて両手を上げて柱の影から姿を現した。
「ザウディンダルです」
「見れば解る……レビュラ」
「?」
何時も、顔を合わせたくなくても合わせてしまった場合”両性具有”と声をかけてくる筈のリュゼクが、爵位こそ付けていないが「レビュラ」と呼びかけたことにザウディンダルは疑問を持った。
リュゼクが率いていた誰もがそれを感じたが、考えがあるのだろうと口を噤む。
他王家よりも家臣と主の線引きが確りとしている王家に属する彼らは、任務の最中に無駄愚痴を叩いたり、自分の意見を簡単に上官に述べたりはしない。
「なにをしていた、レビュラ」
「副中枢に向かう途中でした」
ザウディンダルはリュゼクの問いに答えながら《エーダリロク》を凝視する。
―― 誰だ? これ。エーダリロク? じゃないよな
ザウディンダルも目の前にいる《エーダリロク》が、セゼナード公爵エーダリロクではないことを感じた。両性具有は元々近親者に惹かれる傾向が強く、教えていなくても近親者を好む。それは”血統を感じ取る能力に優れている”とも言い換えることができる。
だからザウディンダルはエーダリロクが嫌いではなかった。むしろ傍にいると心が安らぐことすらあったが、目の前の《エーダリロク》に今まで感じたことのある物が”ない”
「ここから向かうとなると、第二副中枢か。儂等と行き先は同じですので、ご一緒させてもらいましょう。よろしいですな? セゼナード公爵殿下、そしてレビュラ」
「駄目だと言っても付いてくるんだろう? あんたは」
「……はい」
リュゼクの問いかけにザウディンダルは不安になった。
彼女はザウディンダルの意見など求めはしない筈なのだ。だが敢えて名を口にした彼女、そして隣に立つアロドリアス。
誰もが無言のまま第二副中枢へと向かう。
―― セゼナード公爵であれば、将軍の発言に違和感を覚えるはず。ということは……将軍には確証があるのか
アロドリアスもリュゼクの言動と、それに対する《エーダリロク》の態度に疑念を募らせる。
「この隔壁は俺が開けてやるよ」
何時も通り図案化された鈴蘭が象られた手袋の甲で扉を開ける《エーダリロク》
メイン中枢の場所は解らないが副中枢は五箇所あり、それらを高低差を無視して線で繋ぐと《五芒星》の形となる。
それらは円で囲めるようになっており、移動は円部分に通されたモノレールで行われるのが常であった。
第一副中枢はタウトライバが死守しており、第三副中枢は既に陥落。第四、第五は通信途絶により詳細不明の状態。先程ザウディンダルが細工したのは第四副中枢。
「手付かずのようだな。まずは内部の安全を確認してこい」
リュゼクは部下たちにそう命じ《エーダリロク》とザウディンダルを足止めする。
「エーダリロク」
「なんだよ”ザウディンダル”」
エーダリロクは基本”ザウ”と呼び捨てにする。緊急事態ゆえに正式名称を呼ぶような性質ではない。むしろ緊急事態だからこそ名前を縮めて呼ぶだろう。その方が《合理的》だろうと、決してそうは呼ばないリュゼクやアロドリアスですら感じるのに。
「システム復元用のプログラム見せてくれねえか?」
「今は駄目だ。この騒ぎが済んだら見せてやるよ」
「そうか」
だがそれは些細な個人的な違和感であって、決定打ではない。最低でも二人が同じ意見となる、明かな証拠がない。
そのもどかしい空気が辺りを支配する中、
「リュゼク将軍、内部の安全を確認しました」
確認に向かった部下たちが戻って来た。
重くのし掛かる空気を背負ったまま全員が副中枢室へと入る。副中枢コンソール室へと向かうためには、隔壁を一つあげる必要がある。《エーダリロク》が先程と同じように隔壁を開けると正面に巨大なコンソールが姿を現した。
「……!」
「なにをしている……レビュラ!」
コンソールに向かってかけ出したザウディンダルを追うリュゼク、そしてプログラム媒体を取りだし歩いてゆくエーダリロク。部下たちにその場で留まるよう指示を出し、背後をついてゆくアロドリアス。
ザウディンダルはコンソールの前で振り返り、両手を広げて《エーダリロク》を見て、最後の賭けに出た。
「エーダリロク。お前が読みたがってた”カルが皇君様から形見分けの品としていただいたビーレウストが書いた本のタイトル”忘れてないよな!」
ザウディンダルの隣に立ち《エーダリロク》の側を向いていたリュゼクは質問の意味は解らなかったが意図は理解した。
―― セゼナード公爵であるのならば、イデスア公爵が書いた本のタイトルを忘れる筈がない……アロドリアス、用意が出来たか
「いや覚えてないな」
ザウディンダルはザウディンダルで”仕掛けた”が、テルロバールノル勢はテルロバールノル勢として”仕掛け”を用意していた。
「そんなはずないだろう。お前が忘れる筈ないだろ。お前ほどの天才がさあ。俺、お前と付き合い長いけど”ど忘れ”なんて凡人のするようなこと、したことないじゃねえか」
「ビーレウストの本な……タイトルが多すぎて」
「違う」
「なにが違うと?」
「俺はタイトル総数は知らねえが、ビーレウストの本はビーレウストの本とは言わねえだろ? どうしたんだよ”エーダリロク”」
《エーダリロク》の表情の崩れに、アロドリアスに同意を求めようとしてザウディンダルが視線を移すと、彼は銃を構え照準をザウディンダルに合わせて引き金を引いた。
「……!」
**********
離して、離して! どうしてこんな目に遭うんだ
痛いよ、痛いよ。助けて兄貴……兄貴いないんだ……でも、助けて……たすけ
”泣いて良いよ。隣にいるよ”
……誰? 兄貴じゃない、誰だ?
**********
「目を覚ませ、レビュラ」
目を覚ましたザウディンダルの視界に映ったのは、先程までと色の違う副中枢。システムが正常稼働していることを現す水色の光りに満たされ、どれもが冷たく感じられる室内ではなく、物本来の色がはっきりと解る状態になっていた。
「あ……え? うわっ! ……あの、済みませんリュゼク将軍」
あまりにも雑多な色にザウディンダルは驚き、そして自分の上半身を抱き上げているのがリュゼクの手であることに気付きそれ以上に驚く。
「話はできるな」
「は、はい? あれ? あいつは?」
「逃亡した。アロドリアス、治療は終わったか。よし、見張り以外は集合せよ」
ザウディンダルから少し離れた場所で、アロドリアスは千切れた腕を付け直し、補強器具で覆っていた。
「あの質問はどういう意味じゃ?」
話を聞かせるために集めた部下たちの前で、リュゼクがザウディンダルに尋ねる。
「あれはあの通りで、カル……じゃなくて皇君様がカルニスタミアを含む数名にビーレウストが書いた本を形見分けとして配ったんです。一人一人に違う本で、戦闘力や権力でビーレウストと拮抗、あるいは上回る相手に。それで……」
**********
「ライハ公爵殿下の代理で参りました」
「アロドリアスかね。ではこれを」
部屋の異常な空気を感じつつも、テルロバールノル王国の筆頭名門公爵家の跡取り息子は、何事もないように振る舞う。
テルロバールノル王家と同じく、地球時代から続く名門貴族の跡取りからすると、床で髪を振り乱して叫んで居る人殺し王子など、王子とは思っていないのが本当の所だ。
テルロバールノル王家に忠誠を誓っているから、不必要な争いを避けるためにも他王家も王族として接しているだけであり、真の王族とは思っていない。
特に人殺しの傭兵上がりの気狂い集団など、思えるはずもない。もっとも、この気狂い集団の方は、そう思われたところで何とも感じないので、波風は立たない。
「ちょっと待て皇君! その! 今リュバイルスに渡した、その本は! 見覚えがあるぞ!」
だが、右目の瞳孔が開ききって、左目の瞳孔が閉じきっている髪を振り乱したビーレウストに近寄られると、リュバイルス子爵アロドリアスも少し引く。
「あっははは、それはライハ公爵に形見分けする分だよ」
「そんな事はどうでも良いんだ! この本は!」
アロドリアスが受け取った本を掴んでむしり取ろうとするが、
「これはヴェクターナ大公殿下が、儂の主ライハ公爵殿下に届けるよう命じたもの。他家の王子であろうとも、渡すわけには参りません」
カルニスタミアの護衛も兼ねているアロドリアスも引かない。
「だっ! これは、俺がぁぁ! うああ!」
眼前に壊れる寸前のリスカートーフォンの王子、少し離れた所に困り果てた両性具有。そして笑っているだけの皇帝の父。
この場をどうするべきか、アロドリアスは考えたが、何も思い浮かぶわけもない。
発狂しかけているビーレウストを殴って、その隙をついて逃げ戻ろうと考え、左手を握り閉めた時、背後から 《本のタイトル》 を読む声がして、振り返った。
「”リスカートーフォン原論定理:八次関数編” か。面白そうだな、中身見せてくれよ」
エーダリロクの登場で、
「だあ! エーダリロク! ソイツは! べ、別にあれだ! エウクレイデスとは全く関係無い、なんの定理でもなけりゃあ! 関数も適当! だから! だから!」
ビーレウストの手は離れ、アロドリアスも手を離した。
そんな言葉を聞きながら、エーダリロクは、パラパラと頁を捲り、
「でも面白そうだな。借りてもいいか?」
爽やかでありながら、どうしてこれほどまでに胡散臭いのだろうというロヴィニアの笑顔を向けた。
ビーレウストは崩れ落ち、
「主であるライハ公爵殿下に直接お聞きください。儂には答えることは出来ません」
アロドリアスは体勢を立て直した。
「じゃあ、一緒に行こうぜ。カルニスに依頼もあるからよ。皇君がくれたビーレウストの本に、メモ挟まってましたよ。お返しします」
その声を聞いて、ビーレウストは陸にあげられた魚のように弾けて転がり回っている。
「手間をかけたねえ」
「いいえ。こっちに来る ”ついで” でしたから」
「メーバリベユにキスする ”ついで” かね?」
「はい。ザウ、報告書くれるか?」
「あ、うん!」
必死にビーレウストの後をついて回って、落ち着かせようとしていたザウディンダルは声をかけられて、書類を手渡した。
「機材と回収したものは、全部あの箱に入ってる」
「解った。俺がアルカルターヴァの長官閣下に ”このまま” 提出しておく。変な顔するなよ、お前の実力を伝えるのも仕事なんだよ。その後に、俺が目を通して不備がないかを確認して、書類としてなっていなかったら、訂正するからよ……で、ビーレウスト。何転がってんだ?」
「なんでもない……エーダリロク、本気でその本読みたいのか?」
「うん! 楽しみ!」
満面の笑みで頷かれて、ビーレウストは諦めて肩を落とした。
「そっか……じゃあ、送っていくぜ、ザウディス」
気力の全てを使い果たした男は、ザウディンダルの肩を抱いて自分の体重をかけて、送っているのか送られているのか解らない状態で、その場を後にした。
「大丈夫かよ、ビーレウスト」
ザウディンダルが声をかけるも、
「リスカートーフォン原論定理:八次関数編……リスカートーフォン原論定理:八次関数編……」
タイトルを繰り返すのみ。
「そのうち、カルに聞いてみようよ。なっ! カルなら頼めば返してくれるかもしれない! リスカートーフォン原論定理:八次関数編」
ザウディンダルは何度も励ます。あまりに何度も[リスカートーフォン原論定理:八次関数編]と聞いたので、しばらくこれが脳裏から離れなかった程。
「それでは我々も」
ザウディンダルとビーレウストが立ち去った後、エーダリロクは軽く挨拶をして、アロドリアスは正式な退室の挨拶をして皇君の元を去った。
**********
「アロドリアスがいたと。本当か?」
「はい。儂もはっきりとタイトルを覚えております。儂が忘れていないのですから、セゼナード公爵が忘れるとは到底考えられません」
「そう言えば……たしかイデスア公爵は作家名を持っていたはずじゃ。どうやらあの男は、皇君が付けた幼名を知らんようじゃな」
「……」
”皇君が付けた幼名を知らない”という部分で、ザウディンダルは何かが引っかかった。些細なことなのだが、この引っかかりを解くことが解決への糸口になりそうな気がして仕方なく、喉の渇きにも似た焦燥感に襲われる。
「偽物であることは、アロドリアスの発砲でも確証できたが、証拠は幾つあってもよい」
「発砲が証拠?」
「そうじゃ。怪訝な表情をしておるな……レビュラ」
「あの、そのレビュラって」
「少し待て。さて、アロドリアス以外の者たちよ。儂とアロドリアスはあの男を……呼び名がないと不便じゃな。名が判明するまでスペーロとでも呼ぶか。あのスペーロが僭主である確証を得た。解らぬ馬鹿者共は一歩前に出ろ」
並んだ見張りの四名以外の十六名の内、半数の八名が一歩前に踏み出した。
リュゼクは彼らの前を歩きながら、顔を張ってゆく。
「では隊列に戻れ。貴様等は後日、牢に一ヶ月間つながれる。その為にも生き延びよ」
「はい」
彼ら同様に意味が解らないザウディンダルは、圧倒されたまま眺めていた。
「さて、解らぬ貴様等に説明してやろう。ただ一つ、決して言葉に出すな、貴様等は無言で聞き続けるのじゃ。声を発したら殺す。では説明してやろう」
リュゼクはそう言い、ザウディンダルを指さした。
「貴様等はレビュラが何者なのか知っておろう。そしてアロドリアスが撃ち殺そうと銃口を向けたのを見ていたな。陛下の忠実な僕たる儂、そしてアロドリアスがなぜレビュラを撃ち殺そうと銃を構える?」
リュゼクは再度列の前を歩き、理由を理解していると一歩前に出なかった者たちの前に立ち止まり、人差し指で胸をつく。
「儂はレビュラは当然嫌いじゃが、セゼナード公爵も好きではない。公爵はレビュラを自由にし過ぎる」
”両性具有”という部分に触れずにリュゼクは語り続けてゆく。
そして狙われたザウディンダルも理由が解った。《両性具有の生殺与奪は皇帝以外は許されない》のだから、アロドリアスがザウディンダルを殺害しようとしたらリュゼクは同僚を助けるためにザウディンダルを助ける必要がある。
そして、
「じゃが儂は同時にセゼナード公爵のことを尊敬しておる」
「え? ……あ、済みません」
リュゼクの発言とは思えない言葉に、思わず声を漏らしてしまったザウディンダルは口に手を当てて俯く。
「セゼナード公爵の生活態度は貴族の儂が申すのもなんじゃが、最低じゃ」
「……」
―― さすがカルニスタミアのところの、カレンティンシス王配下の名門貴族の当主様だ。なんかもう……
リュゼクの見事なまでの選民貴族将軍ぶりに、心の底から感心する。
「じゃが、セゼナード公爵は任務には忠実じゃ。何よりも友人を大切にする。あのセゼナード公爵が銃を構えたアロドリアスに気付いておきながら、何もせずにレビュラが撃たれるままにしているのはおかしいのじゃ」
もしも本物のエーダリロクであれば、アロドリアスが銃を構えた際に行動に移す。
だがスペーロはそうはせず、黙ってアロドリアスに撃たせた。
そしてリュゼクがザウディンダルを庇い、その照準が自分に合わさった時、初めて彼は動き攻撃をかわしながらコンソールを破壊し、そして自分に照準を合わせたアロドリアスの腕を切り落として副中枢から消えていった。ザウディンダルを残して。
セゼナード公爵エーダリロク・ゼルギーダ=セルリード・シュファンリエルという男が取る行動ではないのだ。それは絶対と言い切れる程に。
「あの男はレビュラの”表層部”しか知らぬ」
気付けなかった者たちは頷きリュゼクに頭を下げた。
「さて、レビュラ。貴様は一体何をしに此処へとやってきたのじゃ?」
「ちょっと待って下さい」
ザウディンダルはリュゼクの問いに答えず、破壊されたコンソールを触り背後に差していた皇帝の剣を抜き、復元ができる機器を起動させるようにする。
「よし……えっとですね、先ずは僭主の話でもなく、俺が此処に来た理由でもなく、陛下に迫っている危機を」
「当然じゃな。なにが合ったのじゃ?」
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