君が消えた六月三十一日

[31]Final

 お久しぶり。Fです。
 サバチーが書いたとおり、死んでおりました。死にそうになったところまでは覚えているのですが、死んだ自覚はありません。
 私はいつも死ぬ間際までは記憶にあるのですが、死んだ記憶はないです。
 ……よくよく考えると、滅多に生き返ることはないので、死の記憶など必要なく、元々その機能がないのかもしれません。
 あーそうそう。私、瀕死の縁から甦ったのではなく、ガチで死んでました。
 脇に二宮医師がいたせいで、防腐処理? を施されて、サバチーが生き返らせるのに苦労した? みたいな、感じです。
 正直そこら辺、興味ないんで。
 それで……たしかに私、蘇生二度目です。一回目もロシアで今回もロシアでした。二回目はソヴィエト連邦ですが。何故か二回目のほうが過去という、どしようもない状況。
 
 私を生き返らせたサバチーは、皆様から寄付していただいた鯖缶の上で、いつも通りドヤ顔、でもかなり期待に充ち満ちた眼差し(何回も書いてますが、目はありませんが)でこちらを見ております。
「持っておいでよ。全部開けてあげるよ」
 不思議なことに鯖缶が一気に私の目の前に!

 みなさん、鯖缶本当にありがとうございました。こうして最終回を迎えられたことを、心より感謝しております!

 あ、最終回っていいますか、いつ死ぬか分からないので、適当に誤魔化しておいたところをさくっと暴露しようと。
 謎とか残ってると、モヤモヤするでしょ?
 するよね!
 なので、怪奇幻想ははっきりとした種明かしをしないことに美学があるのですが、私は怪奇幻想の美学に反することにしましょう。

【In his house at R'lyeh dead Cthulhu waits dreaming.】

 私は自宅警備員ですが、実家にいないことはお気づきでしょう。
 なにせ私、一度死んでおりまして。
 ロシアでさっくりと死亡したわけですが、その際、遺体は回収されて故郷に無言の帰宅を果たしております。
 無言で帰宅して葬式まで出してもらっておきながら、生き返っちゃったわけなんですよ。
 この状態で知り合いに顔を見せていいのは、イエス・キリストのような神の子だけだと思うのですよ。凡人が華麗に復活すると、異様に恥ずかしいもんですよ。
 異世界トリップで行方不明だった人ならいいでしょうが、本気で死体が残ってると、のこのこ顔出し辛い。DNAと指紋まで鑑定してもらっておきながら、生き返るのもねえ。
 骨壷に収められて仏壇前に置かれたわけですが(死亡したのが、冬だったので、豪雪地帯は冬は墓に入れるの無理なので春を待つのですよ)そこへサバチーが!
 サバチーももう少し早く生き返らせてくれたら良かったものの、私はすっかり良い具合に焼けて粉々ですがな。
 そこでサバチーは鯖缶の為に私の体を再生して生き返らせたわけです。……正確には体も精神もサバチーではない<旧支配者>が再構築してくれました。
 もちろん無料じゃありません。そして代金も、鯖缶ではありません。
 <警備員>それが仕事です。
 [22]水没都市【1】で気付いた方もいらっしゃるでしょうが、私が居る場所は家の中に死体を放置しておくのです。
 放置された死体ですが、死にきっているわけでもありません。
 これは夢をみています。
 そう私が警備している自宅は、家ですが、それはそれは広大です。いまだ星辰が正しくないので海中に沈んでいると黙されている大陸。
 南緯47度9分 西経126度43分とウィキペディアには書かれていますね。
 そう、私がいるのはルルイエ。
 ル・リエーとも書かれている場所です。
 ルルイエの館に死に封印され、そして夢見ているクトゥルーが目覚めるその時まで、私は取り敢えず自宅を警備するわけです。
 こっちも一度死んで<旧支配者>に生き返らせてもらった(頼んだ覚えはないがな)ので、人間というよりは<旧支配眷属の眷属>くらいにはなっているようで。

 というわけで、冗談ではなく「クトゥルー? 私の隣で寝てるよ」状態。まあ正確には「クトゥルーの側でネットしてる警備員」なんですが。

 この死んで夢見ているクトゥルーにネットケーブル突き刺すと、インターネットに接続できるんだわ。
 お前、なに、そんな鬼畜なことしてるんだよ! といわれそうですが、私は生まれた時から鬼畜ですとも。
 ご安心ください、別にケツに突き刺したとかそいうことはしてません。腕? 腕……らしきもの? 名状しがたき腕? 腕であるとは断定できない……みたいな箇所に突き刺したら、突き刺さったんですよ。

 断定できない以上、名状してしまうとケツかもしれませんが、そこは深く突っ込まないように。

 中々いいネット環境ですよ。OSですか? 普通にWindows使えます。こうして小説らしきものも投稿できますしね。
 ただこのネット回線を調べようとすると、消えるらしい。
 事実、人を脅していた刑事も消えたそうです。大塚の若頭が教えてくれました。どうして動向を知っているのかと聞いたら「消そうと考えて調査させたら、すでに消えていた」とのこと。サイバー課とかいうところから、情報を貰ってきてアクセスしたのかも知れませんね。
 まあ普通にアクセスする分には問題はないのですが、アクセスしてきた人に「目印」がついていると、即座に引き込まれるそうですよ。
 「目印」ってのは、こちら側に首を突っ込んだ際に付けられるもので、人間の目には見えないものです。ラヴクラフト全集を読んだくらいでは目印は付かないので、ご安心ください。
 ちなみに消えた刑事は、サイバースペースではまだ生きて居ます。むしろ死なない。
 どれほど怖ろしくても死ねないのですよ。発狂したら楽になれそうですが、楽にはなれない発狂状態だそうです。ずっと怖い夢が迫って来るみたいなものでしょう。
 気が向いたら捜してみますが……一生、気が向かないきもしますがね。

 あまり皆さん、気にしていらっしゃらないようですが熊谷さんについて。
 熊谷さんの携帯に私の携帯から連絡がつながったのは、当然といえば当然。私の携帯は携帯会社クトゥルーですから。
 熊谷さんが掴まっていたのは、サイバースペースではないが<旧支配者>が存在する、狭間的なところです。
 そしてですね、熊谷さんのお兄さんについてですが、残念ながら亡くなられていました。
 ざくっと割愛しますが、お兄さんは私の同人誌である「プロヴィデンスの荒野に潜む人食い吟遊詩人と古の海の使徒」を購入していました。
 これを購入するくらいなので、もともとこちらに興味があったようです。

 そこで自分も古(いにしえ)の本を見つけようと深みにはまり、そして……

 熊谷さんはお兄さんの持ち物を調べて、奇妙な宗教(クトゥルー教のようなもの)に嵌っていたと考えて、そちらを調べていたそうです。
 その結果、目を付けられるといいますか、目を通した物に「プロヴィデンスの荒野に潜む人食い吟遊詩人と古の海の使徒」があったそうで。そこから常人は足を踏み入れてはいけない世界へと。
 お兄さんが行方不明になったのが八月二十日ってところで気付くべきでしたよね。それはHPLの誕生日ですもの。
 この本は私が回収いたしました。熊谷さんの安全は保証できませんがね。
 私は<旧支配者>と知り合いでもなんでもないので。
 まあ自殺して逃れるというのでしたら、精神や魂を囚われないようにすることくらいは……サバチーに依頼することはできますが。
 全財産で鯖缶を購入して連絡してくださったら、やりますよ。あんまり書くと自殺教唆になっちゃうので、これ以上は書きません。いや、下手に調査されて<旧支配者>ネットに人が転がってると面倒なので。

 まゆり一家と水瀬さんと謎については、いまだ不明です。

 「全部書くといったのに!」……なんですが、まゆり一家のことは放置しっぱなし。月の柩に関する謎ですが、聞く前に私が撃たれて死亡。サバチーと共にルルイエに帰還と相成りまして……。
 もう一度、謎を知るために過去に戻る……のも面倒で。
 私基本的に面倒くさがり屋なんですよ。ルルイエ館警備員は館から出ちゃだめですよね。謎は気になりますが、諦めるしかないかなと。

 さてと大体謎は解けましたね。

 最後に[30]いおり PH についてですが、
 答えはIn his house at R'lyeh dead Cthulhu waits dreaming.
 私も最初なんのことだろう? と、復活中に考えていたのですが、分かりました。
 In his house at R'lyeh dead Cthulhu waits dreaming.意味は「ルルイエの館にて、死せるクトゥルー夢見るままに待ちいたり」ですが、これは翻訳した文章で、原文(?)はPh’nglui mglw’nafh Cthulhu R’lyeh wgah’nagl fhtagn
 最初の文字を見て下さい、PHなんですよ。
 実は私のパソコン、PHと入力して変換すると、この文章が現れるように辞書登録しています。そしてこの文章の読み仮名を「F」で辞書登録しているのですよ。
Ph’nglui mglw’nafh Cthulhu R’lyeh wgah’nagl fhtagn
ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん

 サバチーは非常に愚鈍なので「PH=F」だと考えたようです。ローマ字入力なので「ふんぐるい」と入力する際に「funngurui」と打ち込むため、遠からずも……ではありますがね。

 以上、なんか書いてみたら大量の謎が残ったままですが■■■■ですし■■ということですので、月の柩は■■■■■■■ということもあり。
 ナターリ■■■最後は■■■■■■■ですから。
 ■■であるに■■■■■■、して■■■■■■■■■■■■■■
 あ、まずいことに■■■■機会があった■■■■■まゆりの■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ルルイエが■■■■■■■■■■■■■■
 最後くらい、ちゃんと書かせろ。それでは機会がありましたら、謎の部分を書きます。その際のタイトルは「月の柩 星の墓」■■■■「燃え落ちる骨」にします。
 タイトルを見かけ、また興味があった■■■■■■うわ、また……この妨■■■■■■さばかん!さばかん!■■■■■■■■■■■■■■■■サバチー! この妨害は■■■■■■■■■■■■■■さばかん!さばかん!るまんど!るまんど!さばかん!■■やめい!■■■■■あのですね■■■■さばかん!るまんど!さばかん!■■■■■■■■■■■■■うおあああ! 取り敢えず、ガチで乱文■■■失礼致しました!■■■■■■■■■■■■おわりって書かせ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

いおり