PASTORAL −14

 想像したら怖いの半分以上、笑ってしまいそうなの半分以下。
 乳首舐めって噛むし、毛は噛んで引き抜いて控えに持ってこさせた布に置くし……部分をみるとやはり髪と同じ濃い赤毛……という事は、やはり体毛は赤?
 俺は一番近くに付いていらっしゃる腕を見た、処理されているといいうか、これは若しかしたら脱色?
 どうしよう……噴出したくなってきた。勿論そんな事出来るわけないので、下唇を噛んで必死に耐える。
 目蓋も硬く結んで涙が浮いてくる(むろん笑い)、それに追い討ちをかけるように、腹から脇腹にかけての愛撫。
 二の腕の裏側部分や、背中などされた事もした事もあまりないようなところを丹念に。
 肌が弱い所なうえに、慣れていないのでくすぐられているような……が、我慢、我慢しろエバカイン! 後少しで、終わる……終わらないな。
 そんな丹念な御慈悲は必要ありませんので、いってしまってください俺が笑い出してしまう前に。

途中でそんな笑い忘れたが

 物凄く丹念な前戯を施されて、さすがに意識が朦朧となってきた所で遠くから声がした。その遠くからの声が告げた言葉は
「陛下105分経過いたしました」
 ん? 105分? 一時間四十五分……倍にすると三時間半……
「そうか。もう少し楽しみたい所だが、時間の関係上そうも言ってはいられぬか。挿れるぞ」
 待って、兄上! お待ち下さい兄上! その……三時間半一本勝負なんですか? 残り105分! 無理ですっ!
 そう思っても挿入される事実は変わらないんだけど。
「うぁ……」
 今朝方受け入れたのと同じ圧迫感を感じながら、これ多分女性の方が大変だと脳裏を過ぎった。受け入れる器官とか、そうではない器官とかではなくて……
「それ程時間を空けてはいないが、慣れないな」
「申し訳……」
「気にする事はない。苦痛に歪んだ表情もまた一興だ」
 これを105分は無理だとおもう。普通に女性だろうが男性だろうが。それにこの大きさと長さだから、女性の方はよほど大柄でもない限り子宮口裂傷になるだろう。
 体格的に兄上よりも大柄な名門貴族女性か……いたか? ……だから兄上、男慣れてるんだ。
 この場面でそれに気付いた所で、どうにもならないけどさ。
 こればかりは仕方ないよな……でも、でも!
「陛下、自分でいたしまっ! ……す」
 ある程度の挿入の後、完全に引き抜いて俺のを手で……。兄上ほどの制御能力が備わってないモノですので、すでに我慢の限界にきているんです、放していただけないでしょうか?
「外見そのものと同じで、繊細で優美だなお前のは」
 モノ褒められてもあまり嬉しくはないのですし、何となく褒められてるのかどうか解からないですし(アレが繊細って……褒め言葉か?)ですが兄上にお褒め頂いたのですから喜ぶべきなのでしょうが……でも喜ぶわけにはいかないような。
 こういう時の家臣としての反応って何処にも載ってなかったな、当然ながら(あるわけ無いが)
「華奢なつくりだ」
 それは! 兄上の手が大きいのでして! 決して……その兄上のモノに比べれば……貧相かもね、うん。
「あっ……あぁぁ……」
 両手で顔を覆って、肺腑から息を吐き出した。吐精してしまった、失礼にも兄上の御手の中で。
 失礼というか伽として失格だなと、呼吸を整えながら考えている所に足音が近付いてくる、従僕だ。手を洗う小型の洗面器を運んできた、それで兄上手を洗ってらっしゃる。ああ、もう綺麗サッパリ洗ってくださいませ! タオルで手を拭った後、それを床に捨てられると次の従僕が盆を持って来た。
 盆の上には丸まったタオルらしいものが。それを掴んで開く兄上のお姿は……怖い。だって、怒張したままだし……
「うぁ! あ、あに……陛下?」
 蒸しタオルだったらしく、それで俺が自分の身体の上で散した白濁を拭いてくださってらっしゃる。仰向けだったんで、結構腹の部分とか……呆けている場合じゃない! 兄上に拭かせてどうする気だ!
「じっ! 自分でっ!」
「続ける」
 タオルを投げて、起き上がりかけた俺の身体をベッドに押し付けた兄上。

後、時間は何分残っているのだろう?(答:84分)

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