ALMOND GWALIOR −130
 少しだけ目を閉じて体を休めていたエーダリロクが、小さな音に目を開く。
 夜は更けて窓から見えていた星が、枠から外れ見えなくなったことに気付いた。
「お、連絡だ」
 管理者権限の強い浮動モニターを立ち上げ、思ったよりも遅かった連絡を受け取る。
「まとまったか? メーバリベユ」
 その時間のかかり具合から、問題は複雑なのだろうと予測はついていた。
『はい』
「それで!」
『先程のお話は後回しにさせていただきます』
「うわー! 今すぐ! 今すぐ!」
『いやです』
「うわああ!」

《お前の妃は 本当にお前のことを……》

 両手で頭を抱え叫ぶエーダリロク。
 傍目からみると、全く可愛くもない姿だ。大柄で目つきは鋭く、腹黒さが感じられる瞳で、口元は冷酷を形にしたかのようと言われる。
『しかたありませんわ。では后殿下関係のお話から』
 が、メーバリベユ侯爵からみると、とても可愛らしく映るようだ。もちろん格好良くも映っているが。
「おう!」
『殿下は幽霊に関しては得意ですか?』
「全然……え、幽霊関係してんの? それじゃあ、俺は全く役に立たねえってか、無理。帝国騎士は幽霊とかいう物質見えないから」
『帝国騎士以外の者が”見る”可能性は否定しませんね?』
「しねえよ。俺たちは見えねえが、俺たち帝国騎士にしか聞こえない物もあるからな」
『そうですか。それで確認ですが、ハーダベイ公爵は帝国騎士ではありませんよね?』
「あいつは違う。それが?」
『それについては後で』
「うわあああ! 気になる!」

《落ちつけ、エーダリロク・ゼルギーダ=セルリード・シュファンリエル》

『本当は直ぐにでも本題に入りたかったのですが、そうもいかなくなったのです。先程、皇君宮の召使いが保護を求めて参りました』
 メーバリベユ侯爵が連絡するのが遅くなった理由は、この召使いの保護にある。
「あんたに?」
『正確には陛下でしょうね。私も知っている者ですので一応は匿いました』
「保護の理由は?」
『私は后殿下が”皇后”になるという前提で用意をしております。その関係で、現皇君宮に足を運び、間取りなどを確認していました。それと召使いたちに、使い勝手の良い部屋や、効率良い部屋割りなどを聞いております』
「ふんふん」
 ”メーバリベユに任せておけば、間違いはない”ロヴィニア王がそう言うほどに、あちらこちらに足を運び情報を集めていた。
 ちなみに侯爵は「ロヴィニア王家は皇妃で推薦、他の三王家は帝妃推薦」という現状を逆手に取り、皇婿宮や帝婿宮へも堂々と足を運び、皇君宮での情報収集と同じようなことをしていた。
 帝君宮はアルテイジアとすでに仲が良いので、そこから情報を得ていて問題はない。
『情報を集めるのは会話です。質問に答えてもらうだけでは、決して解らないことも、会話で引き出せますので、結構頻繁にお話しておりますの』
「ほうほう」
 侯爵の現在の仕事は、専ら情報収集。
 宮の危険や警備の穴の存在などは、そこの働いている者達から直接聞くのが最もよいとばかりに、毎日お喋りに華を咲かせていた。
 もともと頭の回転がよく、話術も巧み。その技術で皇帝の正妃候補にまでなった女性は、召使いや警備達から情報を聞き出す術を心得ている。
『お喋りですので、噂話が主ですね。そんな中、ある召使いが”この頃、皇君宮で幽霊を見る”と言い出しました。その召使い以外にも見た人はいたようですが、その召使いが最も口が軽かったようで、あちらこちらに言い触らしていました。そうアルテイジア殿にまでね』
「はうはう」
 幽霊話は何処にでも”つきもの”で、珍しくはない。あまりに吹聴してまわると叱られる事もあるが、
『その口の軽い召使いが、殺害されたようです』
「誰に」
 殺害されることは”稀”だ。
『解りません。ですが彼の部屋が大量の血で染まり、調べた所”彼”の物と確認されました。ですが死体はありません』
 殺害されたと断定されたのは、残っていた血液の量。
 人間であれば即死に近いほどの量が残されていた。
「宮の主、皇君はなんて?」
『皇君殿下までは話は通っていないようです。召使いが一人殺害され、死体が見つからない……程度ですから』

 事件になっている以上、相手は幽霊ではない。

「あんたに保護を求めてきた召使いは、殺害される心当たりがあるのか?」
 侯爵が”陛下に保護を求めた”という部分に、大きなものを感じながら尋ねる。
『殺害された”彼”と共に、幽霊を見たそうです。ただし”彼”とは違い、幽霊に心当たりがあったので、あまり口にはしなかったと』
「幽霊に心当たり? 知り合いなのか?」
『殿下もご存じでしょうね。ケシュマリスタの波うつ豊かな髪質で色は黒。体のラインを露わにする服。胸は大きく形良く、腰は引き締まり、尻から太股のラインにかけて男を誘うかのよう』
「俺はそんな女知らないぜ」
 エーダリロクは言い返しながら、肌に危険を感じた。中にいるザロナティオンも、自分自身の意志で危険を感じていた。
 容姿が重複することの多い彼らは、多少の容姿を羅列されただけでは解らない。
 その程度のことを理解している侯爵が”わざわざ”語っている容姿。エーダリロクは”答え”にした人物がいた。その考えから必死に離れようとしつつも、目の前で自分をまっすぐに見ている侯爵に縫い付けられる。
『肩が露出し、胸も上半分が露わになっていおり、太股の付け根まで入っているスリットから覗く肌にはガーターベルト。かなり背の高い人物ですが、その胸と腰から、一目で女性と解ったそうです』
「……それで?」
『服は白で、輝く金の右目が特徴的であったと』
 女と一目で解るデザインの白い服。帝国において”かなり”と言われるほど背が高く、豊かな黒髪が波うち、右に《金の瞳》

―― キュラの伯母は権力によって、生きているのに死んだことにされていた ――

まさか<ディブレシアが生きている>ってことはないだろう。そうだったら”陛下が気付くはずだ”それに協力者も必要だ。いや……心当たりがないとは言わないが……皇君が協力者だったら、大体の話に……

―― 最大権力者は自らを死んだことにすることは可能であろう ――

「その主観の入った容姿の箇条書きだけじゃあはっきりと言い切れねえが、召使いは喋るのを憚ったってことは、瓜二つだったってことだな?」
 死後と言えども皇帝は神である。神が一人の召使いに死をもたらしたとしたら、逃げ込む先はただ一つ。
 死後の皇帝よりも権力を持つ、即位している皇帝。
 帝国において、即位している皇帝こそが”最高位”
『はい。一緒に居た殺害された召使いは、立ち位置から”幽霊の顔”がはっきりと見えなかったようです』
 生き延びた方は、殺された方が語ることを否定はしなかった。
 なぜなら、それは幽霊でなくてはならないからだ。自分が見たものが”死んだ皇帝”と瓜二つである以上、同僚が語る通り幽霊でなければ《自分たちは幽霊よりも恐ろしいものを見てしまったことになる》

 それが幽霊でなければ何が起こる? 漠然とした恐怖は、同僚の死によって形となる

「よし。まずは、その召使いは保護しておけ。後日記憶を消してロヴィニア王城に送る。それまでの間だが、警備はそれ程厳重にする必要はない。もちろん、陛下にお伝えする必要はない」
 自分は殺害対象に入ったと考える召使いにとっては、殺害は恐怖だが、外側からみると奇妙な所があるのだ。
『やはり”わざと”殺害されたんですね』
 侯爵もおかしさは感じていた。
 ”殺害”は噂話を現実の物にしてしまう。事件になったことで、人々は警戒し、噂を語らなくはなるであろうが、人の口など塞げるものではない。
 恐怖として内側に篭もるのだ。決して消えるものではない。
 それは噂を収める方法としては下策。だが……
「まあな。何事かがあると思わせる必要がある。姿を見せたのも、それが理由だ。おそらく召使いが殺害された部屋の周囲は閉鎖されたはずだ。あんたもそこには近寄るなよ」
 噂をより一層の物にするのであれば、上策とまではいかないが効果はある。
『かしこまりました』

 死が煽る恐怖。それが望むのは一体何か? それを望んでいるのは誰か?

「ところで……あんたさ、突然俺が”ディブレシアは生きている”って言ったとして、信じるか?」
 エーダリロクは自らの考えを否定して欲しかったのだが、侯爵は否定しなかった。
『信じられますよ』
「え?」
 侯爵はエーダリロクを深く愛しているが、妄信はしていないので、理由がなければ信じない。そのことは、エーダリロクも身をもって実感している。
『私は崩御されたディブレシア帝の遺体と直接対面したことはありませんから、生きていると言われたら”そうですか”と受け入れられますよ』
 侯爵はディブレシア帝が崩御したと言われている年に生まれたということもあるが、それ以上に侯爵の周囲には皇帝の葬列に直接参加したものが居なかったので、遺体を直接見た者がいない。
 侯爵は名門上級貴族だが、皇帝の葬儀の際、棺に収められた遺体を直接見ることのできる地位ではない。
 ”遺体”が皇帝であることを”確認”するのは王であり皇太子であり、正配偶者達。
 その後、王子や王女、皇子や皇女が”対面”する。
 エーダリロクが見たディブレシア帝は、間違い無く遺体であった。腐敗しないように処理された美しい遺体。
「……」
 だがそれが”ディブレシア帝”であったかどうか? エーダリロク自身は判断に何ら関与していない。

 その点では、侯爵と同じであった。

『どうしたのですか? 殿下。殿下らしくもないと言いますか、殿下はディブレシア帝の遺体と対面なさったのでしょう?』
「たしかに対面した。俺がディブレシアと直接会ったのは、あれが最初で最後だった……ディブレシアの死因は知っているか?」
 知っていようが、繋がらなかったということも解った。
 時が満ちねば解らず、今正に時が満ちようとしている。
『産褥熱と聞きましたが』
 もし当時死体を調べていたとしても、今まで気付かなかっただろうと、モニター越しの侯爵を見ながら”後手”どころか、手遅れに近いところまで来ているとも。
「実際は自死だ……俺はあんたに、神殿内部の話をするつもりはなかったんだが、一つ教えてやるよ。王族なら知っていることだ」
 真の死因が知らされるのは、王族とそれに連なる僅かな名門のみ。自身で初めて王家と縁付いた侯爵家に正しい死因が知らされていないのは当然のことと言えた。
『はい』
「両性具有が皇帝となれない理由の一つは、クローニングできないことだ。クローニングできないと、なぜ即位できないのか? 答えは神殿にある。第一子誕生後、即座にクローンを作成し、皇帝はそれを神殿最深部にあるシリンダーに収める。勿論生きていて、そいつらも成長していく。でも即位に際し絶対にクローンが必要なわけじゃない。第一子以外のクローンは必要なく、第一子が死亡した場合他のクローンを持たない親王大公でも即位できる。暫定皇太子や傍系皇帝も同じだ。ただしクローン体作成可能かどうかは調べる。それが両性具有とその他を見分ける確実な方法だからだ」
 無性はその体質から、クローン以外では増やせない。異形は体内でクローニングを行い、増やすことが可能。だから”それら”は即位することができる。
『……』
「クローンは体だけが成長していく状態で、知能は発達しない。眠ったまま寿命を終えるということだ。もちろん起こすことも可能だ……皇帝であればな」

―― ディブレシアの死因は自殺、確かに自分で自分を殺害しても”自殺”だろうな ――

 その部分は伏せた。
『作成するのは、一体だけなのですか?』
「一体だけだ」
 一体だけの作成ではあるが”彼ら”の特性上、似通う事が多く、それらを知っている神殿は、クローンに対し非常に友好的で、幅広く受け入れる。
 だから死んだはずのザロナティオンと同じ”シュスターク”をも受け入れるのだ。
 神殿の判別は甘く、非常に曖昧で誰でも立ち入れそうだと思えるのだが、破るとなると至難の業。
『生きているとして、どのように生活を送られていたのでしょうか?』
「大宮殿は部屋の数は有り余ってやがるし、なにより……」
 ”皇君が協力者”という部分は飲み込んだ。確定していないことを語るのは、エーダリロクの性格では良しとはしない。
 なにより”協力者”であったとしても、彼には色々と協力してもらう必要があるのだ。
 素知らぬふりをしていれば、彼は協力してくれる。
 そこでエーダリロクは話題を切り替えた。
「ところで、その召使い二人の職種は?」
『ガーベオルロド公爵閣下のお部屋掃除だそうです』
「はあ? 皇君宮の召使いなんだろ? なんで最強騎士の」
『ガーベオルロド公爵閣下は、よくお出でになるそうですよ』
「あの人、拷問本部……じゃなくて、帝国騎士本部に詰めてばっかりだと思ってたんだが」

 キャッセルの私室は職場にあると言っても良い状態で、宮殿にある宮はこの五、六年放置されている。
 兄弟の家族に悪影響だから戻って来るなと帝国宰相に言われて、それを守っていた。
 放置されている宮は手入れが行き届かなく、異様な様相をていしていた。陛下からいただいた宮がそれでは失礼だと、帝国宰相は執事の一人に宮の維持を任せる。
 任されたのは当然ながら、父親でもあるアイバリンゼン。
 以降、宮はしっかりと管理されており、帝国宰相は特に問題視はしなかった。

 《皇君殿下が、偶に使いたいと。ガーベオルロド公爵閣下の許可も得たそうです》

 アイバリンゼンと知り合いである皇君が”人が住まないと、やはり荒れるよ”と言い、足を運び部屋を使っていた。
 大宮殿の住人で元皇帝の夫の申し出に、奇妙なところはない ―― そう帝国宰相は感じたが

『ガーベオルロド公爵閣下は餌係だそうですよ』
「あん? なんの?」
『内海の鮫とお聞きしましたが……どうなさいました? 殿下。表情が明かに変わりましたけど』
 かつて帝君宮の主が内海に飼った鮫。その餌係りを任せられたキャッセル。
「ああ……なるほどな。死体の処理方法も解った。あ、なるほどな」
 キャッセルは頭が良いことをエーダリロクは一緒に仕事をしているので、良く解っている。狂人故の天才で、狂人部分は”善悪の判断が曖昧”が大半を占めている。
『え?』
「鮫に食わせたんだよ。あの鮫の餌は人間だ。昔帝君がビーレウストといっしょに放り投げてた。俺も一緒に放り投げた記憶がある」
 本部で殺害した遺体を持って訪れ、餌として与える。
 ”そういう物だよ”と教えたら、キャッセルは疑わない。
 そしてまた、キャッセルが『他人が殺害した遺体』を持って歩いている姿を見ても、誰にも深く追求はされない。なによりキャッセルは死体の出所を疑問に感じるような男でもない。
『人間なのですか?』
「人間だ。それにしても、部屋の掃除って、まるで滞在するかのようだが」
『お泊まりになられるそうですよ……言って良いのかしら』
「なんだ?」
『関係があるようですよ』
「……何が?」
 エーダリロクも頭”は”良い。当代一の天才だと評しても、誰も文句は言わない。相当な爬虫類好きで童貞であろうとも、天才であり成人した王子。
 言われていることは解るのだ。
 だがそれを理解したくないと、全てが否定している。
『あのお二人は』
「あのお二人って?」
『皇君殿下とガーベオルロド公爵閣下です』
「なんの関係」

《諦めて認めろ、エーダリロク・ゼルギーダ=セルリード・シュファンリエル。あの異形と最強騎士は肉体関……》

「うわあああ!」
 人の趣味だと理解しはいるし、その様な趣味の友人もいる。
 だが”なにか”が駄目だった。
 皇君とキャッセルという組み合わせが、エーダリロクには耐えられなかった。
『どうなさいました? 殿下』
「い、いや……ちょっと想像しちまって」
 皇帝の異父兄弟の中で、もっとも美しい顔立ちのキャッセルと、ケシュマリスタ男特有の細さと優雅さのある皇君。
 見た目は若干ナルシストっぽくなるが、悪いものではない。だがエーダリロクには耐えられないほうにゲージが向いた。それはもう勢いよく、形のないゲージの針が振り切れんばかりに。
『まあ。そして私も悪かったですわ。殿下がこれらに関して疎いこと、すっかりと忘れておりました。勘違いされても困るので、明言しておきますね』
「うぎょがぎょご!」
『皇君オリヴィアストル殿下とガーベオルロド公爵閣下は肉体関係があるそうです。私も大人の常識として、それ以上のことは聞きませんでした。もしも必要でしたら幾らでも下世話になって、関係時期や泊まった日付、二人の睦言の流れなどを調べて参りますよ』

―― 調べてきたら、聞かされるじゃねえか! まっぴらごめん!

 遠退きかけた意識にザロナティオンが蹴りを入れて、しっかりと体に戻す。

《この帝国では珍しいことではなかろうが。私は男や女よりも、両性具有と無性が好きだったが》

 帝国最大特殊趣味で、それを叶えた男は、純情らしい子孫を目を細めて見守った。もっとも顔が顔なので、目を細めると値踏みしているようにしか”感じ”られないのだが。
「うわっ! 要らねえっ! 大体だ、その部屋の召使いが例の《金の瞳》と遭遇したってことは、その辺りは最も危険だ。必要があったら俺が調べる」
『畏まりました。それと、フォウレイト侯爵が幽霊は嫌いなのだそうですよ』
「へー帝国宰相の異母御姉様嫌いなのかあ」
『なので、早めに退治してくださいませ』
「解った」
 本物の幽霊の退治方法を調べ、武器を開発するよりかなら、死んだとされている皇帝を”真に葬り去る”ほうが簡単だと頷く。

『さて、最初の話に戻ります。后殿下のお話なのですが、これも出だしとしては幽霊に関係します』
「幽霊が多いな」

《私とて幽霊のようなものだ》

「なるほどね。后殿下には見えて、バロシアンには見えなかった……か」
 此方の話に関しては侯爵の話を聞いただけで、エーダリロクは概要を掴んだ。
『その表情ですと、大体見当がついているように感じられますが』
「見当がついているだけだ。明日は陛下に呼び出される可能性もあるから、明後日に時間を作っておいてくれ。できれば陛下が同席しないほうが良いだろう。その方向で調整しておいてくれ」
『かしこまりました。全てが解明され”后殿下が心よりの笑顔”になる答えをお持ち下さること、期待しておりますので』
「プレッシャーありがとさんよ。じゃあな、メーバリベユ」
 明日に備えてこれから休息をとるだろう侯爵。
《調べることが山積みだな》
「そうだな。黙ってる場合じゃねえ。后殿下が穴を掘ってた辺りを調べるとするか」
 多少眠らなくても死なない男と、眠らずに死んだ男は立ち上がった。


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